2017-07-22

ABB工場見学

 

 

今週はフィンランドとエストニアに行ってきました。

弊社の高圧設備で使用しているABB社の工場見学が目的です。

 

ABBは本社はスイスということになっていますが、インバータやパワコンの製造に関しては、設計・開発・一部の製造がフィンランド、量産工場がエストニアで行われています。ABBは数年前、旧パワーワンを吸収してから、小型分散パワコン(TRIOシリーズ)も販売していますが、小型分散パワコンの工場はイタリアのままです。

 

 

エストニア工場

 

 

エストニア工場には、サハラという試験設備があり、高湿度で最高温度100度の環境まで再現することができます。地球上のあらゆる地上環境を再現することができるようです。温度上昇試験等の試験を行うことができます。

 

 

 

 

 

新型パワコン

日本での販売は未定

新型パワコンでは、冷却機構が改善されており、液体を循環させて冷却し、外部からの空気を内部に入れないためフィルター交換が不要になります。(魅力的な機能ではありますが、型番が新しくなると電力協議一からになるので大変)

 

ABBのパワコンは集電箱が内蔵することができますが回路ごとに遮断することができません。技術者に聞いてみたところ「カスタマイズの要望があればできるがコストが結構が高くなる」ということでした。

 

ちなみにフィンランドは白夜が有名ですがこの時期、ヘルシンキは夜10時30分でもまだ明るい。

 

 

太陽高度を見てみると、夏と冬それぞれ次のようになります。

 

 

 

 

太陽光発電の設置はほとんどないらしく、導入量はわずか十数メガ位しかないのだとか。

 

 

ABBのパワコンはPVS-800シリーズが主力ですが、容量が

100kw、250kw、300kw、500kw、630kw、875kw、1000kwとなっています。しかし、いずれの容量もユニットの数が異なるだけで、中身はほとんど同じものが使用されています。主な違いはIGBTの容量の違い。結果的に、容量が大きい方がコスト的に安くなります。

 

たとえば1000kwパワコンは330kw程度のユニットが3つ入っています。そのため、MPPT回路も3つありそうですが、セールスマネージャーの方曰く

「実際に3つもたせることもできるが、たいして意味がない」とのことでした。

 

 

今後の開発動向は1500V化にあるようで、PVS-980という製品で対応品がリリースされます。1500V化のメリットは直列数が増やせるためケーブルや接続箱の節約になります。個人的にはこうしたコストダウンは知れているので、それよりも既存のシリーズの価格をもっと下げてほしい。

 

 

エストニアの工場は量産工場ですが、製品の特性上完全な受注生産です。

 

エストニア工場

 

1製品に対して組立担当が数人で行います。

必要なパーツをまとめる係が組立エリアに持っていき、

キャビネット(ほぼシリーズ共通)に、組立担当が組みてをしていきます。

アセンブリ向上のためクリーンルームではなく、作業の様子も結構アナログです。

 

 

しかし生産管理は良くできており、不具合管理と改善活動をデータ分析により行っています。例えば、不具合を全てまとめ、項目ごとに分類していきます(配線間違え、スクラッチ、接触不良等)、その項目に至った原因をさらにツリー上にしていき、大元になる原因を改善する作業を定期的に行います。

 

 

 

主な生産の流れ

1.部品の選定(設計図にある部品を部品置き場からとりラックにまとめていく)

2.キャビネットに部品を組み立てる。

  ※この時サブアッセンブリコーナーで組み立ててから渡す場合もあり。

3.モジュール検査(パワコンモジュールの状態で通電させて検査)

4.実機検査(完成品で試験を行う。実機試験成績書もこの時のもの

5.出荷

 

 検査時には定格の何倍もの電流(5000A位)をかけてテストされます。一般的には、最大入力電圧・電流を絶対に超えないように、というマニュアルに則って設計がされますが、このテスト状況をみているとそこまでシビアに考えなくてもよいのではないかと思えてきます。

 

 

 

 

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