2019-07-4

買取制度終了の日経記事(つづき)

(つづき)

買取制度終了は制度の目的を果たしたから、というのが正しいとしても、
実際に買取制度が終了してもこれまでと同じように市場が活性化し続けるのか、というとこれは全く別問題だ。


買取制度の元で、事業者は20年以上の発電事業に伴う大きなリスクが担保される。
それは「電気が売れないリスク」と「値下がりリスク」である。
これはよく投資不動産と比較される。マンションオーナーが、
1Rマンション取得して賃貸に出す場合、「貸し出せる相場」は常に変動するし、
空室リスクも悩みの種である。空室はその期間の収入を止めてしまうし、
空室を埋めるためのコストも発生させかねない。
買取制度の場合は、必ず買い取ってくれるため、売れないリスクがないし、
価格が固定なので、値下がりリスクがない。


※実際には、価格が固定というのは、インフレに対するリスクにはなる。

買取制度がある限り、いくら調達価格が低くても、必ず買取がなされ、単価が固定されるため、
長期の事業運営上の大きなリスクが回避される。このことは、銀行融資の受けやすさにも直結するため、
資金調達コストにも反映される。


そのため、買取制度終了後も、こうしたリスクが担保されるような
新しい制度が予定されているようだ。つまり、事業者は
自ら売り先を探さなければならないが、最低価格だけは保証されるような制度だ。
上記のリスクでいえば、「必ず売れる」部分は保証されないが、
単価の固定だけは半分担保されるような形だ。


但し、この制度は入札で決まるようなので、これまでの買取制度にはない問題点がある。
一つは、入札制度となった場合、期日が決められるため、事業参入機会に制限が設けられること。
現在の特別高圧や高圧の入札では、年2回となっているため、参加するための準備期間(接続契約や用地確保)を考えると、
スケジュール面で非常に障壁が高くなってしまう。

もう一つは、入札には容量の枠が決められるため、必ず認定が取れるわけではないということである。
そのため、入札に要するコスト(用地確保費用)等を無駄にしてしあうリスクがあり、参入障壁が高くなってしまう。


こうした中で、従来のような競争が働き、これまでのように設備費用が下がっていくのかは、
予断を許さないところである。参入障壁があまりに高すぎてほとんどの発電事業社や設備供給業者が撤退してしまうことになれば、
一気に市場が冷え込み、価格が高止まりしてしまうことにもなりかねない。これは、再エネ比率を長期的に拡大していきたい政府の目標からも反する事態だろう。

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