2019-08-5

東京電力PGの試行的取り組み

東京電力PGがコネクト&マネージの考え方による「試行的な取り組み」として接続が難しい箇所についての空き容量の計算を見直し始めたようだ。弊社で千葉県佐倉市で接続検討を申請していた場所についても、数か月遅れて、接続可能という回答が届いた(但し連系工期は未定)。

 

東京電力管内は、千葉、茨城をはじめとした従来太陽光適地と思われていたエリアで、接続できない状況が続いており、千葉県の「空き容量マップ」は接続エリアがほぼ0になっている。買取制度以前に、調達価格以前に、そもそもつなげないという状況である。国としては、エネルギーミックスで再エネ比率を上げる目標があっても接続が出来ないのではお手上げである。

 

太陽光や風力は、お天気任せの安定しない電源という指摘がよくされる。電気は貯めておくことが経済性から難しいため、需要側と供給側が一致しなければならない「同時同量の原則」で運営される。そのため、供給側に合わせて需要を一致する手段が常に必要になる。従来型の電源ではベースロードとされる原子力は一定出力で発電されることが多いため、需要に合わせた供給側のコントロールは主に火力発電で行われてきた。

 

そこに太陽光・風力のようなお「お天気任せ」の電力が系統連系され、エネルギーミックスに入り込む。この場合も、火力発電が大きな役割を果たす。太陽光・風力は電量会社の火力発電などの調整力がなければ使い物にならない電源である。調整力は火力以外にも、水力や用水力や地域間連携も大きな役割を果たすが、十分活用されているといえないと指摘されており今後の課題である。

 

現在多くの地域で、「空き容量」がないため接続できないケースが増えている。買取型の太陽光は、自家消費をほとんどせず、発電所を逆流して、近隣に流され工場や家庭など電力の消費地で消費されるが、太陽光発電が増えすぎて、近隣で消費できない場合、変電所などを経由してさらに上流に流され消費される必要がある。しかし、変電所の変圧器等の容量が足りない場合、変電所増強工事を行わな得ればさらに逆流して諸費することが出来ず、空き容量が足りない状況になる。変電所工事費用は高額な工事費になりやすいため、負担しきれない事業者や工期が長期化する等の問題で事実上接続が出来なくなることがある。

 

東京電力の試行的取り組みはこうした再エネ導入のネックになる部分を解決するための対策と考えられる。

電力会社の空き容量の計算は、万一にも停電を起こすことがない安全を見たものであったため、「空き容量がない」というケースでも実潮流をみるとガラガラの状態である、という問題が指摘されることがあった。コネクト&マネージという考え方は、こうした安全よりの考え方から一歩進み、まず接続を優先し、接続した後でそれをうまく管理していこうという考え方によるものである。管理の1手段には太陽光・風力の出力抑制も含まれる。

 

先に記載した、調整力の考え方で、このような指摘が良くされることがある。「太陽光はお天気任せのため、日中しか発電できない。蓄電池が普及したらもっと導入できるのに」。これは一面の事実ではあるが重要な事実をいくつか見過ごしている。

 

1.蓄電池は調整力の一手段であるが調整力には揚水力発電(事実上の蓄電池)や地域間連携線の活用も含まれる。これらは先着優先のルールに基づいているため、十分活用されているとは言えない。これらをもっと有効活用できる。

 ※蓄電池のなかで比較的コスト競争力のあるNAS蓄電池よりも揚水力発電のコストの方が大分安い

 

2.そもそも調整力以前に、現状の空き容量の計算方法に改善の余地があるのではないか

 

上記については公共性の高い電力インフラを効率的に運営する、という視点で見た時に蓄電池より優先すべきことは言うまでもない。

コネクト&マネージは上記2に対応したものである。

 

特に、1の蓄電池について考えた時下記のような皮肉な事態が考えられる。仮に高額な費用を投入して、変電所近くに大容量な高額の蓄電池を系統安定化のために設置したとする。しかし現在の空き容量計算は安全を大きく見たものであるため、「空き容量なし」とみたエリアに蓄電池を導入したとしても、その蓄電池は殆ど稼働しな可能性が高いわけである。

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