2019-11-26

R1.11.19のエネ庁 分割案件ルール変更について


11月19日の「なっとく再生可能エネルギー」サイトに、分割案件ルールの変更がリリースされていた。
これによると、10kw以上50kw未満の従来ルールである1年以内の登記簿上地権者が同じ場合の隣接地の認定について
この1年以内の要件を外して2014年までさかのぼるというものだ。

この唐突なルール変更をはじめ確認した時は、かなりの戸惑いがあった。
今年度認定申請期限の直前に、このような経過措置の全くない突然なルール変更は、事業者側の予見性が全くなく、
従来ルールに則って動いていた関係者の利益を損なう強引なものに見えたからだ。

そこで、エネ庁に内容を確認してみると、想像していたものとは異なるものであることが分かった。
担当者によると、これはかなり露骨な分割行為に焦点を当てたものだということだった。
当該リリースの追加ルールでは「大規模設備を意図的に小規模設備に分割している事例」というところがポイントで、
この場合の大規模というのは、担当者曰く、「1か所に低圧数十件とか、大規模な設備を意図的に多数に分けたもの」
ということだった。つまり、従来ルールである隣接地番の同一所有者については1年以上経過している要件は維持しつつ、
明らかに大規模な設備の分割行為については、より厳しい措置をとるものだということだった。

この意図については、そのような露骨な分割が乱発していることに驚いたが、
たしかに、そのような事態が横行しているのであれば、経過措置のない追加ルールの意図も理解できるものではないかと感じた。
それは、追加ルールが実質的に新しいものではなく、従来の分割ルールを補完するものであるからだ。

この分割ルールについては、設立当初から、公共性を損なう意図的な分割を規制する趣旨にはいくらか適うものではあるが、
分割の意図がない真っ当な事業者の利益を損なう可能性があることを懸念していた。
後者について、ルールの妥当性が最も疑われるのが、用地が賃貸の案件である。
所有権については、1年以上経過することを形式的な意図的分割の基準とされていた。
この1年と言う基準はの妥当性は賛否が分かれるところがあるが、
「分割の意図」という内心を客観的に判断するのが事実上困難である以上、このような形式的基準はやむを得ない面もある。
しかし、所有権について形式的な判断基準があるのに、賃貸案件について、
同様の基準が存在しないのは明らかに公平性にかける。
賃貸についても、登記簿上の賃借権や地上権の設定日から1年以上、という基準があっても良さそうなものである。


また、「分割してもなお全ての案件が特別高圧(2000kW 以上)の場合」
、というのが分割には扱われない基準にあるが、この点からすると、分割してもなおどちらも高圧、
あるいは分割してもなお低圧、というという基準は当然あってしかるべきである。
例えば、100kwと200kwが分割に見えたとしても、
仮に分割しない場合でも同じ300kwの高圧であるから、意図的な分割を行う合理的理由がない。

こうしたケースを規制する合理的な理由があるのか疑問である。


この制度は、高圧を回避するため、低圧に意図的に分割しすることで、社会的不公正や電気料金への転嫁の発生や
不要な電柱が増えることによる非効率の発生などを防ぐ、ということがその趣旨にある。

その点からすると、選択の余地なく低圧を複数設置せざるを得ない事業者の利益にも本来配慮すべきである。
それは、例えば送電線理由から、高圧や特別高圧の設置が物理的に不可能なエリアの低圧分割である。
このようなケースでは、分割禁止ルールを一律に適用すると、低圧太陽光を広い敷地に1か所だけ設置する、という選択肢しかなくなってしまう。
しかし、再エネを拡大し、温暖化防止など環境に利する視点からすると、こうしたケースでは、
低圧1基しか設置できないよりは、いくらか電柱の乱発という社会的非効率があるとしても、
再エネをより拡大することを優先する視点があってもよいはずである。

どちらを優先すべきかは一概に判断しにくいが、少なくとも費用便益分析から検討する余地はあるように考えられる。

 

 

 

 

 

 

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